【Vibe Coding実践】スプレッドシート地獄から脱却!Google Antigravityで営業管理ツール「NovaBill」を爆速開発してみた

岡野 貴映

2026.02.24(火曜日)
【Vibe Coding実践】スプレッドシート地獄から脱却!Google Antigravityで営業管理ツール「NovaBill」を爆速開発してみた

スタートアップや新規事業の立ち上げ期において、避けて通れないのが「数字の管理」です。

見積書、発注書、請求書の発行。そしてクライアント管理や、営業目線で最も重要な「ヨミ表(売上見込み)」の運用。皆さんの会社ではどうしていますか?

前職時代、私はこれらをすべて個別のExcelやスプレッドシートで管理していました。しかし、ツールが連携していないため「見積書で作った金額を、手作業でヨミ表に転記する」という二度手間が発生したり、別の担当者がルールを守らずに入力した結果、入力漏れや金額のズレが多発……。

「見積書を発行したら、自動でヨミ表に反映されて、請求書にもワンクリックで転記できるオールインワンのツールが欲しい」

そんな長年の悩みを解決すべく、今回novarisでは、自社専用の営業管理ツール「NovaBill(ノヴァビル)」を開発しました。しかも、話題の「Google Antigravity」を使ったVibe Coding(AIと対話しながらの開発)で、わずか約4日という驚異的なスピードで完成させることができました。

この記事では、そもそもGoogle Antigravityって何?というところから、実践までをまとめてみました。

Google Antigravityとは?

引用:https://antigravity.google/

2025年11月にGoogleが発表した、次世代の統合開発環境(IDE)です。VS Codeをベースに構築されており、AIエージェントが開発プロセスの主役を担う「エージェントファースト」という革新的な設計思想を採用しています。

従来のAIエディタは「ここを直して」と頼む感覚でしたが、Antigravityは「この機能を実装しておいて」と依頼するだけで、エージェントが自律的に計画を立て、コードを書き、ブラウザで動作確認まで完遂してくれます。

Antigravityの主な特徴

  • エージェントが計画・コーディング・テスト・デバッグを自律実行
  • Gemini 3.1 Pro / Claude Opus 4.6 / GPT-OSSなど複数モデルを状況に応じて切り替え可能
  • Editor View(コード編集)とManager View(エージェント指揮)を使い分けた並列開発
  • 現在パブリックプレビュー中で個人Googleアカウントがあれば無料で利用開始可能

CursorやWindsurf、GitHub Copilotなど競合ツールが群雄割拠する中で、ブラウザ操作まで自動化し、複数エージェントを並列管理できる点がAntigravityの大きな差別化ポイントです。

ちなみにClaudeの最高モデルであるOpus 4.6が無料で使用できるという点で、X上では「Google Antigravityを使わないとまずいよ!」という記事が乱立されるほど、今注目のツールです。ちなみに個人的には便利ではありますが、使わないとまずい!みたいなトーンではないので……。

AIを適材適所で使い分ける!「NovaBill」の開発フロー

最新のAIモデルが使えるとはいえ、何でもかんでも一つのツールに任せるのは非効率です。今回は以下のようにAIを「適材適所」で使い分ける戦略をとりました。

STEP 1|仕様書の作成(Gemini / ChatGPT)

いきなりAntigravityに開発させるのではなく、まずは別のAI(GeminiやChatGPT)を使って、要件定義や機能仕様書をガチガチに固めます。ここでコンテキスト(情報量)を節約しておくことが後の工程をスムーズにするカギです。

今回は以下のような仕様をパイロット版として、制作時にマストで必要だった「見積書、発注書、請求書をブラウザ上で入力し、PDFとして発行」という機能を仕様書を固め、追加仕様として、クライアントの管理、売上/粗利の確認のためのヨミ表作成、見積書から発注書、請求書への転記機能、案件ソート機能を考察しました。

尚、コンテキスト量に余裕がある方は、Claudeを使用して作るのもありですが、節約したいって方はこういう別モデルで仕様を固めるのがありでしょう。

STEP 2|設計・アーキテクチャ(Claude Opus 4.6)

固まった仕様書をAntigravityに投入。全体設計や複雑なデータ構造の設計など、高度な推論が必要な部分は「Claude Opus 4.6」に任せます。Antigravityはモデルをターンごとに切り替えられるため、この使い分けがとてもスムーズです。

STEP 3|コーディング・実装(Claude Sonnet 4.6)

実際の開発作業やコードの出力は、速度と精度、そしてコンテキスト量の使用量のバランスが良い「Claude Sonnet 4.6」に切り替えて進めました。エージェントが自律的にコードを書き、ターミナルでビルドし、ブラウザで動作確認まで行ってくれるため、開発者は「監督」に専念できます。

STEP 4|ローカル検証・改善・本番デプロイ

AIが出力したコードは、まずローカル環境で動かして検証します。自分の目で見て「この機能はやっぱり追加しよう」「この動線は使いにくいな」と感じた部分を対話形式で修正。バグのチェック自体も別のAIにダブルチェックさせる徹底ぶりで進めました。サーバーへのアップロード手順やデプロイ用の仕様書もAIに作成してもらい、本番環境へとアップしています。

結果

必要最低限の見積書、発注書、請求書を入力して、PDF化にするという機能を実装したパイロット版は着手からわずか1日未満で完成しました。ヨミ表・クライアント管理などの機能追加を含めても、合計約4日で本番稼働できるレベルに到達しました。

「NovaBill」で実現した主な機能

引用:NovaBill(自社開発環境にて)

NovaBillの完成により、以下の業務フローがひとつのツールで完結するようになりました。

  • 見積書のWebブラウザ上での作成・PDF発行
  • 見積書から発注書、請求書への転記がワンボタンで可能に。
  • 見積書の管理番号と金額が自動でヨミ表のデータベースに反映
  • クライアント情報の一元管理(登録・検索・紐付け)

手作業の転記ミスや二重入力がゼロになり、営業担当者(私ですが、、、)が「数字を追いかける時間」から解放されました。

AIと人間のベストミックス:爆速化が生んだ「品質へのフルコミット」

ここまで読むと「なんだ、もう全部AIだけで完結するじゃん」と思われるかもしれません。確かにVibe Codingによって、ゼロからの実装スピードは劇的に向上し、従来なら数週間かかっていた開発が数日で完了しました。

しかし、だからといって「人間のエンジニアが不要になる」わけでは全くありません。むしろ逆です。

NovaBillは、自社の売上データや大切な顧客情報を扱うツールです。ただ動けばいいというものではありません。AIが圧倒的なスピードで面倒なコーディングを終わらせてくれたからこそ、novarisの制作は、システム開発において最も重要で責任の重い領域にフルコミットできました。

  • 堅牢なセキュリティの構築
  • ビジネス要件に100%合致しているかの品質保証(QA)

「とりあえず動くもの」を爆速で作るのはAIの独壇場です。しかし、それを「ビジネスの現場で、誰でも安全かつ快適に使えるプロのツール」へと昇華させるのは、人間のエンジニアの経験と目利きに他なりません。

イーロンマスク氏が「人間がコードを書く時代は終わった」と発言されていますが、正直、その時代はもうすぐだと思っていますが、まだ、全てをAIに任せるのはちょっと危険ではないか?というのが本音です。

AIによる圧倒的な効率化 × 人間のプロフェッショナルによる確実な品質担保。この「最適な役割分担」こそが、これからの時代のシステム開発の最適解です。

まとめ:novarisが提案する次世代のシステム開発

今回、Google Antigravityを活用して「NovaBill」を開発したことで、AIを活用したシステム内製化の強みと、プロのエンジニアが介在することの重要性の両方を身をもって証明できました。

novarisでは、こうした最新のAI技術(Vibe Codingなど)を取り入れた爆速なプロトタイプ開発から、人間のSEによる堅牢なセキュリティチェックを伴う本番運用まで、ハイブリッドなWeb制作・システム開発をご提案しています。

「社内のスプレッドシート管理をどうにかしたい」「自社専用ツールをスピーディに開発したい」とお悩みの方は、ぜひ一度novarisにご相談ください!

岡野 貴映
大手不動産プロジェクトや大阪市内の大型イベントなど、大規模案件のWeb戦略・ディレクションに従事。2025年12月より株式会社俵屋のWeb事業部「novaris」を牽引。単なる制作ではなく、「営業視点」と「数値解析」を掛け合わせた成果直結型の提案が得意。SNSでは最新のAIトレンドやSEOの裏側を発信しています。ウェブ解析士、初級SNSエキスパート取得。