【実録】自社名なのに検索圏外!? 「俵屋 時計」で表示されなかった意外な原因と、回復までの全記録
「自分の会社の名前で検索しても、公式サイトが出てこない」
「なぜか楽天やポータルサイトばかりが上位に来る」
これはWeb担当者にとって、最も冷や汗が出る瞬間ではないでしょうか。
今回は、弊社が実際に直面し、解決した「指名検索(ブランド名検索)での順位トラブル」の実例を包み隠さず公開します。
舞台は、novarisの母体であるカルティエのヴィンテージ時計専門店「TAWARAYA」のECサイトで起こりました。
なぜ公式サイトが検索結果に表示されず、どうやって正常な状態に戻したのか。その裏には、意外な「Googleビジネスプロフィール」の落とし穴がありました。
この記事の要点
- 自社名検索で公式サイトが出ない原因は「Googleマップ」にあった
- 楽天などのECサイトをマップのリンク先に設定するのは逆効果
- Googleは情報を「勝手に」書き換えることがある
- 3つの修正を行い、数日で1位表示に回復
事件発生:「俵屋 時計」で公式サイトが出てこない

ことの発端は、ある日の順位チェックでした。
運営している公式サイト(https://tawaraya-tokei.com/)が、最も重要なキーワードである「俵屋 時計」というクエリで、検索結果の上位に表示されていなかったのです。
状況整理
- 検索クエリ: 「俵屋 時計」
- 期待する結果: 公式サイトが1位表示。元々、このクエリでは1位だった。
- 実際の結果: 楽天ショップやメルカリなどの他媒体が上位。公式サイトは20位圏外。
- 企業実態: 会社名は「株式会社俵屋」。ショップ名は「TAWARAYA GINZA」。
「社名」が入っているのに公式サイトが出ない。これはGoogleが「このサイトは『俵屋』の公式サイトではない(あるいは重要度が低い)」と誤認していることを意味します。
原因分析:疑わしい2つの要因
なぜGoogleは公式サイトを無視したのか?
私たちは2つの仮説を立てました。
仮説1:店舗名のアルファベット表記(TAWARAYA)
実はTAWARAYAは今年2月に銀座への実店舗出店に伴い、ショップ名を「TAWARAYA」から「TAWARAYA GINZA」へと完全に切り替えていました。その結果、サイト内の目立つ場所(ロゴやH1など)から、漢字の元々あった「俵屋」という文字が減っていました。
- 懸念点: Googleが「TAWARAYA」と「俵屋」を同一視できていないのでは?
- 分析結果: 会社概要には「株式会社俵屋」とあるため、GoogleのAIなら認識できるはず。主要因ではなさそうだが、副次的な要因の一つと考えられる。
仮説2:Googleビジネスプロフィールの「URL」が楽天になっていた

調査を進めると、衝撃の事実が発覚しました。
Googleマップなどに表示される「Googleビジネスプロフィール」に登録されている「ウェブサイト」のリンク先が、公式サイトではなく「楽天ショップのURL」になっていたのです。
- ユーザーが「俵屋」を調べる。
- Googleマップ(ビジネスプロフィール)を見る。
- そこには「楽天ショップ」のURLが貼ってある。
- Googleの判断: 「なるほど、このビジネスの『本体(公式サイト)』は楽天なんだな。じゃあ検索結果でも楽天を優先しよう」
これが「主要因」でした。
GoogleはビジネスプロフィールとWebサイトを紐付けて情報を整理(エンティティ構築)します。ここで公式サイト以外を登録していると、公式サイトの価値がGoogleの中で著しく下がる現象が発生したのです。
「セール時だけ楽天に切り替える」のは要注意
EC担当者の中には「楽天スーパーセールの期間だけ、マップのリンクを楽天にした方が売れるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、SEOの観点からは「本体サイトの順位を落とす逆効果」になりかねません。Googleにとって「公式サイトのURLがコロコロ変わる」状態は、信頼性を大きく損なう要因になります。
解決策:順位を戻した3つの施策
原因が特定できたため、即座に以下の修正を行いました。
タイトルタグとディスクリプションに「俵屋」を明記
基本中の基本ですが、Googleロボットに「ここが俵屋です!」と認識させるため、サイトの<title>タグとmeta descriptionに、漢字の「俵屋」というキーワードを自然な形で追加しました。
(修正前)TAWARAYA… → (修正後)俵屋(TAWARAYA)…
ビジネスプロフィールのURLを「公式サイト」へ変更
Googleビジネスプロフィールの管理画面に入り、ウェブサイトのリンク先を「楽天」から「公式サイト(https://tawaraya-tokei.com/)」へと書き換えました。
これにより、Googleに対して「こっちが本家本元です」と正しく認識させます。
サーチコンソールでインデックス登録をリクエスト
修正が終わったら、Google Search Console(サーチコンソール)を開き、「URL検査」から「インデックス登録をリクエスト」ボタンを押下。
「修正したから早く見に来て!」とGoogleに合図を送りました。
結果と教訓:「Googleによる書き換え」に注意せよ
対応から数日後、検索結果を確認すると、「俵屋 時計」のクエリで公式サイトが見事に1位へ表示されるようになりました。
この経験から得られた、Web担当者が守るべき「鉄の掟」は以下の通りです。
教訓1:指名キーワードは必ず「文字」で入れる
ショップ名が英語表記(TAWARAYA)とはいえ、この表記だけに頼るのは危険です。ユーザーが検索するであろうキーワード(俵屋などの会社名)は、必ずタイトルやディスクリプションにテキストとして含めてください。Googleはやはり「文字」を最重要視します。
教訓2:マップ情報は「勝手に書き換わる」と思え
今回のURL問題、実は「Googleが勝手に書き換えた」可能性もあります。
Googleは情報の正確性を保つため、公式サイトよりも情報のソースが強い(ドメインパワーが強い)サイトがあれば、そちらの情報を「正」として自動更新することがあります。
特に楽天や食べログのような強力なドメインに情報があると、公式サイトが負けてしまうケースはMEOの現場で頻発しています。「設定したから終わり」ではなく、定期的に管理画面をチェックすることが重要です。
教訓3:違和感を感じたら「サーチコンソール」を見る
「なんか順位がおかしいな?」と思ったら、すぐにサーチコンソールを開きましょう。「検索パフォーマンス」でそのクエリ(今回は「俵屋 時計」)を確認し、表示回数や掲載順位、そして「どのページが評価されているか」を確認するのが解決の第一歩です。
まとめ
SEOとは、単にキーワードを詰め込むことではありません。Webサイト、Googleビジネスプロフィール、SNSなど、ネット上に散らばる「自社の情報(エンティティ)」を正しくGoogleに伝えることが、現代のSEO(およびLLMO)の本質です。
「指名検索で出ない」という事態は、まさにこの連携が崩れているサイン。もし同様の悩みを抱えている場合は、まずは「タイトルタグ」と「GoogleマップのURL」を疑ってみてください。
あなたのサイトが、あるべき場所に表示されることを願っています。